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立弘法

村人の夢に立ち救いを求められた弘法大師は、隠居山の観音さまのそばに「立弘法」として祀られて以来、
その約束どおり、病に苦しむ人々を救われてきた。「立弘法」はお大師さま七才の時のお姿といわれ、
今でも毎月のお詣り日は「お立ち日」として親しまれ、願をかける人があとを絶えない。

願掛け
参道の石段や大岩の間には、あちらこちらに小石が積まれているが、これは昔から伝わるさまざまな願掛けの方法によるものである。その一つに、大岩と本堂の間の小石を持ち、般若心経を唱えながら満願の日を決めて立弘法さまに願をかける。その小石を家に持ち帰り、毎月体の悪い部分などをさする。お願いが成就すると、お礼に何倍かの小石を参道や大岩の下にお供えする、というものがある。
長い年月の間に、願掛けの方法にもいろいろな言い伝えがあるが、今でも立弘法さまに願を掛け、病気を治して頂いた人は数え切れない。

子どもを守る立弘法

このお大師さまは、江戸時代末期お大師さまを信仰する切井の村人が、子供の健やかな成長を願って建てたものといわれる。この民家の庭に祀られていた石仏が、あるひ一夜にして、村を見おろす大岩の上に飛んでいったことから、そのお力に恐れをなした村人が大切にお祀りし、守り続けたものである。その後、廃仏毀釈に際し、他の寺院や仏像と同じく土中に埋め隠された。隠居山観音が再建された大正の中頃のことである。山仕事の帰りに落石にあって気を失っていた切井の村人は、その間にお大師さまに出会う。そして夢の中でお大師さまは「私を地中から救い出して、隠居山の観音さまと一緒に祀っておくれ。そうしたら、切井の子供の病気を治し、子供がすくすくと育つように守ってしんぜよう」と告げられた。この頃、切井一帯では、一~三才位の幼児に疫病が流行し、次から次へと死んでしまい、なかなか子供が育たなかった。お大師さまの話を聞いた家族や村人は、さっそく山に登り、落石があった近くの岩場(ごうろす)を中心に探し回った。やがて岩山の片隅に埋められていた石仏が見つけだされ、丁寧に土を払うと子供のお姿のお大師さまである。村人はお大師さまの言葉を固く信じ、力を合わせて三十三番観音に続く高台に運び上げた。そこの大岩の上にねんごろにお祀りした後、観音さまのご名号を唱え子供たちの健康を願った。その後、疫病はすっかり影をひそめ、村人の家では子供達が丈夫に育つようになった。 それ以来、このお大師さまのご利益は近隣に広まり「立弘法」として愛され、多くの人の願いを聞き続けている。

毎年、五月三日に年に一度の大祭を執り行います。
当日、五平餅等の御接待があります。
また、年に一度皆様にお配りするお札を
ご用意致しております。
奮ってご参拝をお待ちしております。

平成二十二年度 お立ち日(立弘法縁日)ご案内

1月5日(壱千日詣り)2月7日(五千日詣り)3月4日(弐千日詣り)
4月5日(五千日詣り)5月11日(七千日詣り)6月11日(壱千日詣り)
7月24日(五千日詣り)8月11日(壱千日詣り)9月8日(壱万日詣り)
10月15日(参万日詣り)11月6日(四万日詣り)12月13日(五万日詣り)

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